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炭化水素の輸送にインテリジェンスを組み込んだトリグ・テクノロジーズ社のスキッド

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炭化水素の輸送にインテリジェンスを組み込んだトリグ・テクノロジーズ社のスキッド hero image

課題

  • 手動のチケット発券システムでは請求が遅れたり不正確な情報が入力されたりするなど、年間に何千ドル、何百万ドルもの損失が出ていた

ソリューション

  • 情報ソリューション - Microsoft Windows® Azure™クラウドプラットフォームを活用したロックウェル・オートメーションの制御および情報ソリューションを導入し、リアルタイムの情報と履歴情報に分散されているLACTユニットからセキュアにアクセスする
  • ダッシュボード - 新システムに搭載されている強力なダッシュボードとレポート機能で、各ユニットの性能と油田全体、企業のパフォーマンスを最適化する
  • 戦略的提携 - エンドレス・ハウザー社のコリオリ流量計で原油メトリクスを正確に測定する

結果

  • 測定が改善され自動的にEチケットが発行されるようになり、製品の品質が改善された
  • リアルタイムの視覚化機能と履歴のトレンド分析機能で各油井から汲み上げられる石油の種類がよく理解できるようになり、請求サイクルの平均が縮まり長期的な計画がたてられるようになった

背景

原油価格が1バレル当たり100ドル前後をうろつく昨今、会計ミスが度重なれば年間に何百万ドルもの損失となる恐れがあります。炭化水素の輸送という石油事業に不可欠な分野で、そのような例が実際にありました。

炭化水素採掘事業は世界各地で行なわれ、その多くが遠隔地です。坑口や貯蔵タンク、海洋プラットフォーム、パイプライン入口、ターミナルのそれぞれに無人のスキッドユニットがあり、購入者と販売者が石油供給にアクセスできるようになっています。このユニットをLACT (リース自動管理輸送システム)と呼びます。ポンプとパイプ、バルブでできたこのシステムは、石油の品質と純度を測定するとともに、流量や動作圧力、主要パラメータを調節する働きがあります。

この購入者/販売者による輸送の会計処理は高度と言うにはほど遠く、大半のLACTユニットが自動化されておらず、ネットワーク接続されているものはさらに少数です。

そのため、次のような流れでミスが発生します。LACTで石油を受渡しする際にトラック運転手が輸送量と品質測定(比重など)をチケットに手書きし、それをユニットに備え付けられているメールボックスに投入します。

そのチケットを毎週または毎月、LACT所有者が回収し、それに基づきオフィスで請求処理が行なわれます。チケットは雨が降ったり、ガラス瓶(メールボックスに備付けのチケットを入れる瓶)の蓋を閉じなかったりすると、びしょ濡れになり判読不可能となります。これで作業が難航します。

時間差や手書きのチケットなどさまざまな要因によって作業が難航し、バランスシートも不正確となります。炭化水素輸送の支払いサイクルは30~90日間で、そのうちエラーが発生する割合は2~8%です。

繰返し起こるこの問題に、テッド・ハットー氏とロニー・リッグス氏は頭を悩ませていました。二人は、テキサス州に本拠を置くLACTの販売リースのサービス業者である、パンハンドル・メーター社とトリグ・テクノロジーズ社の共同所有者です。二人とも、チケット発券のミスと請求の遅延がお客様に与える影響を十分に理解していました。

課題

パンハンドル・メーター社とトリグ・テクノロジーズ社のお客様の層は幅広く、保有台数が10台に満たない小さな自営トラック運送会社から、収益何十億ドル、保有トラック台数何百台ものグローバルな石油およびガス生産業者までさまざまです。

ハットー氏は、タッチスクリーンやその場でチケットを印刷する機能などが付いている半自動LACTユニットや、SCADAでつながっているLACTユニットはほんのわずかしかないと言及し、「字が読みにくかったり綴りが間違っていたりとチケット発券のミスが多発しており、お客様はどこも悩んでおられます」と、相談してこられました。「重要な情報が書込まれていないチケットもあるのです。」

炭化水素輸送費は、石油およびガス運搬トラックの運転手が記入する内容を基に請求されます。必要事項が正しく洩れなくチケットに記入されていなければ重大問題です。ハットー氏の説明によると、残念ながら、トラック運転手への支払いは積荷を運んでいくらとなっているため、きっちり記入しても何の得にならず、受渡しする石油の量や品質にかかわらず、積荷を届ければ報酬が手に入るということです。

また、ほとんどのLACTユニットは遠隔地、それも辺ぴなところに設置されているため、普通の通信チャネルは使えません。そのため、現場で費用効率よくデータを収集して伝達し、請求書を処理するために必要なインフラ基盤がありません。また物理的に遠く離れていることもLACTのサポートコストとメンテナンスコストが高まる原因です。

ソリューション

正確かつ迅速に請求できる、チケット式ではないソリューションならお客様に喜んで受け入れられると考え、ハットー氏と、リッグス氏は、2013年の春、これを実現できるオートメーションおよび情報ソリューションを求めてロックウェル・オートメーションに支援を要請してこられました。これを契機に、LACT業界は、情報化前の時代から最新のオートメーションおよび情報技術の時代へと素早く変貌を遂げることになりました。

トリグ社をサポートしLACTに伴う同社独自の課題に対処するにあたり、ロックウェル・オートメーションはターンキーの資産性能管理(APM)ソリューションを設計・開発しました。これは、Microsoft® Windows Azure™クラウドプラットフォームを活用するソリューションで、LACTのAllen-Bradley®のCompactLogix™プログラマブル・オートメーション・コントローラとエンドレス・ハウザー社のコリオリ質量流量計、沈殿物・水検知器からそれぞれデータと情報を取得し、これをローカルのHMIまたは産業用PCの画面に表示し、Windows Azureクラウドへと送信します。

クラウドに送信されると、Rockwell Software®のアプリケーションによってリアルタイムのデータと履歴データがダッシュボードにまとめられ、そこでコンテクスト化された情報(輸送、全体的な石油の品質、油井の生産性)に変換されます。計測済みのこの変数と診断情報は、セキュアなインターネット接続を通じてどこでも表示できます。

LACTでは、原油の排出または注入時にトラック運転手が識別番号をHMIに入力し受渡しを開始、「チケット」が自動生成されるのを見届けます。この情報は携帯または衛星でクラウドに送られます(携帯か衛星かはLACTの設置場所と携帯ネットワークの有無によって決まります)。その後すぐに請求書が自動生成され、識別番号に関連付けられたお客様の住所へと送信されます。

何か運用上の問題があれば、状態モニタのインターフェイスや含水率警告アラームから、現場のオペレータや離れた場所にいる利害関係者らに警告が発せられます。LACTの含水率が設定済みのパラメータ(パラメータは地域によって異なる)よりも高い場合、LACTのポンプが自動的にオフに切り換わります。違反を繰返した場合、その識別番号での輸送が特定のユニットで受付けられなくなり、炭化水素輸送の品質管理レベルが厳しく再設定されます。

リッグス氏は次のように述べています。「クラウドのおかげで、トラック運転手が見ていること、やっていることのすべてが保守、運用、管理部門のユーザに表示されます。請求処理、保守、製品品質の改善という点で直ちに影響が表れましたが、同時にLACTに埋もれ活用し切れていない膨大な量のデータを活用できるようになったこともロックウェル・オートメーションのクラウドソリューションのよい点です。」

結果

フィールドテストでは、ロックウェル・オートメーションのソリューションを導入したトリグ社のLACTスキッドによって、支払請求サイクルはどの企業も時間が短縮されました。また、炭化水素含有率の情報が手書きの頃のシステムに比較し正確になっています。LACT制御システムから情報が自動的に取得されEチケットが生成されるため、請求処理のミスもほとんどなくなりました。

「1台のLACTスキッドで莫大な量の原油が輸送されることを考えると、請求ミスは非常に大きな損失につながります」と、ハットー氏は述べています。「例えば、1日の生産量を3000バレルとしてLACTユニット1台について考えた場合、ほんの1%間違っただけでも、収益損失額は1バレル当たり100ドル、年間にすると100万ドルにもなります。」

保守のコストと時間も改善されました。トリグ社のLACTには事前通知アラーム機能が付いており、緊急事態が発生するとテキストまたは電子メールでユーザに通知、即対応を呼びかけます。例えば、フィールドテストで、ポンプモータがリモートで停止しポンプのエネルギー使用量パラメータが超過したというアラートが保守作業員に届いたことがありました。作業員がクラウドベースのトレンド分析機能を使用したところ、濾過器のフィルタが傷んでいることがわかり、定期的な保守点検の計画をたてることができました。故障すれば修理に5000ドル以上、現場に赴くコストもかかる可能性がありましたが、このどちらも回避できました。このクラウドベースのシステムは柔軟性がありシステムの更新や変更を中央で行なうため、それが即座にネットワーク全体に反映されます。

トレンド分析機能のおかげで、施設管理者や運営管理者も各油井から汲み上げられる石油の種類をよく理解できるようになりました。複数の油井について長期的な生産計画をたてることができますし、さまざまな油井から汲み上げられる石油を混合して一貫性のある製品を生産することも可能です。

「フィールドテストは非常に順調に進んでいます」と、リッグス氏は述べています。「お客様も、情報を取得できるようになりどのような利点があるかを理解しはじめ、もっと活用したいと考えておられます。」

「トラック運転手が司令所と直接連絡を取り合えるように、タブレットや携帯電話、アプリをソリューションに追加しようと考えています。そうすれば、指令所も待ち時間が最も短いLACTにトラックを送り込むことができるため、受渡しの時間が短縮されます」と、リッグス氏は続けます。

「硫化水素ガスのモニタや追跡機能、アラーム機能などを追加して、環境安全を改善させようというアイデアも出ています。システムを修正して塩水処分もしようという話も出始めています。「ボタン」を押すだけで、まるで管理輸送がもっと簡単になるというようなソリューションです。」

「そもそものきっかけは、支払請求処理をもっと早く正確にできないかと考えたことです」と、ハットー氏は付け加えます。「それが、適切な制御および情報インフラ基盤があればデータを情報に変換できるのだとわかりました。この情報はコンテクスト化され説明責任とコラボレーションの向上につながる知識となり、それがまた組織の知恵へと発展していきます。」

ここで紹介した成果は、トリグ・テクノロジーズ社でロックウェル・オートメーション製品およびサービスをその他の製品と併用した結果です。成果は、事例ごとに異なる場合があります。

公開 2015年5月28日

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