クーパータイヤ、MESでオペレーションを変革

IT/OTチームワーク

クーパータイヤのコアチームは、全施設に渡るグローバルMESの設計と実装を任されました。

このプロジェクトは、組織内で高い知名度があったため、適切な情報技術(IT)と運用技術(OT)の担当者をチームに配置し、機能サイロを超えた生産的なコラボレーションを促進し、IT/OTチームワークを実現することを優先させたのです。

プロジェクトの第一段階は、グローバルな設計を完了し、アーカンソー州テクサーカナの第一工場に導入し、その後、米国の追加工場やメキシコ、中国、セルビアの施設に展開することでした。

基本的なエコシステムとして機能するクーパータイヤのMESは、計画、実行、およびコンテキストに基づいたデータの収集方法に関する震源地となります。ERPシステム、自動化レイヤ、アプリケーションとの強力な統合機能により、MESは効率性の向上と意思決定の改善のための専門機能間の橋渡しとなります。

また、MESは、継続的な改善を維持するために強制力のあるワークフローを導入することも可能です。

• 組織の情報サイロをなくし、人とシステムをつなぐ
• 生産性向上のためのコラボレーション、標準化、ベストプラクティスの実施を強化

チームは製造業務のデジタル化に着手し、クーパータイヤの交換用と純正品の両方の顧客向けに乗用車と小型トラックのタイヤを製造する製造施設全体でグローバルMESの設計と実装を行ないました。

グローバルオペレーション&プロキュアメント担当上級副社長であるフィル･コートクラックス氏は次のように述べています。「この作業は、「後悔しない」ための基礎的な取り組みと見なされていました。それは、シミュレーション、予測分析、デジタルツイン、およびそれ以降の将来のユースケースのためのデジタル基盤を作成することを意図していました。」

パンデミックへの挑戦

COVID-19の大流行時には、1年の大半を費やして、製造工場と工程をまたぐ100人以上の専門家と協力しました。

多くの製造メーカにとって見慣れた光景ですが、プロジェクトが始まると同時に、設備は新しい働き方に移行し、プロジェクトの開始を遅らせ、対面での会議にかわって遠隔での設計図セッションやバーチャル工場見学が行なわれるようになったのです。社内チームの多くは、それまで一緒に仕事をしたことがありませんでした。

製造工場の工程をこえたチームメンバーは、バーチャルミーティングを利用して議論し、決定へと導き、ローカルだけでなくグローバルな要件も参照するようになりました。

設計図と設計セッションは、コアチームとロックウェル･オートメーションのチームのスキルと経験を活用しました。現地の工場責任者が、各拠点で適切なリソースを用いて参加できるよう支援しました。

進化するデジタルトランスフォーメーションの実現

クーパータイヤのアプローチは、共通のプラットフォーム上にあることで、データ分析のユースケースにおいて、あらゆるベストプラクティスや改善点を迅速に複数の拠点に展開できることを考慮しています。全体的なデジタルトランスフォーメーションにとって重要なのは、適切で信頼できるデータに統合されていることです。そのため、同じ基盤の上に構築された重点分野に柔軟性を持たせることができます。

デジタルトランスフォーメーションのソリューションは、IT/OT統合による相互運用性の向上、状況に沿った説明へと変えられたデータ、高度な分析機能を提供します。これらのソリューションを用いて、製造業のリーダや主題専門家のグループによって、主に影響と労力を中心に将来のデジタルユースケースに優先順位が付けられました。リストは、ペインポイントに基づいて作成されました。
 

意味のあるインパクト

クーパータイヤは、MESソリューションによってコスト構造に大きな影響を与えました。コートクラックス氏は次のように述べています。「さらに、トレーサビリティの改善により、堅牢で体系的なエラープルーフィングが強化され、品質が継続的に向上すると推測されます。製造コストの効率化と品質の向上はもちろんのこと、MESのメンテナンスを継続的に行なうことで、年間コストを削減できると考えています。」

ロックウェル･オートメーションは、特定のプロセス、課題、望ましい結果に関する変化に対応するために主要産業向けに専用設計され、タイヤ会社の多様なニーズに対応する業界固有のMESソリューションを開発しました。

クーパータイヤのような先進的な企業は、イノベーションに傾注し、最新のテクノロジを導入することで、今日の課題に対応し、明日のイノベーションに備えることができるのです。