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カンパリ社は、バーボンの生産を一元化

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カンパリ社は、バーボンの生産を一元化 hero image

課題

  • 製品の品質や一貫性を損なうことなく業務の一元化を図るため、高度に自動化された加工/瓶詰め施設を新設、蒸留所を刷新拡張した。

ソリューション

  • プロセス・オートメーション・システム - PlantPAxシステムで、ブレンドや濾過作業からアルコール度数の調節や瓶詰めにいたるあらゆる処理工程を制御
  • 視覚化ソフトウェア - FactoryTalk View SEソフトウェアで、オペレータに生産情報とプロセス情報をリアルタイムで提供、意思決定力の向上につなげる。

結果

  • 一貫した製品品質 - バッチレポートと材料管理レポートで、バッチの確認と材料の追跡が可能となった。
  • 法規制の遵守 - ガロン単位で製品を追跡できるため、政府が定めた月々の在庫レポート要件に準拠。
  • コスト節減 - 10~20%だったOEEが約70%に向上。市場投入までの時間が短縮、1ケース当たりのコストも低下。

背景

リピー兄弟がケンタッキー州ローレンスバーグの郊外、ケンタッキー川の川岸にバーボン蒸留所を開いたのが1869年でした。当事、二人はそれがアメリカを代表するバーボン産地になるとは思いもしなかったのではないでしょうか。

この蒸留所は、禁酒法が施行されていた1920年台~1930年台も存続し、1940年、同蒸留所で作られたバーボンを社長が七面鳥狩りに持参、仲間にふるまったことから、ここのバーボンにワイルドターキーという名が付きました。

それから約70年後、2009年にイタリアの酒類メーカ、カンパリ社が「ワイルドターキー」ブランドを買収。これを契機に同蒸留所とワイルドターキーの新たな歴史が始まりました。当事、ワイルドターキーは「バーボンといえばワイルドターキー」というほどの人気で、世界各地の市場(なんと60以上)でも販売されていました。国内で販売されるバーボンの約半分を占め、国外市場にも販売されているというこの記録的な業績にカンパリ社は目をつけたのです。

当時、生産需要がどんどん高まっており、これに対応するためカンパリ社はワイルドターキー蒸留所のアップグレードと拡張という結論に行着きました。カンパリ社が目指したのは、最新のオートメーション技術を導入し蒸留所の製造工程を最新化するとともに、加工・瓶詰め業務を社内に切換え全体的な効率と費用効率を高めることでした。

課題

まずは1億ドルの施設拡張が行なわれました。新しく蒸留所が建設され、何十年も手作業で行なっていた工程が廃止されプラント規模のプロセスシステムが導入されました。風味はそのまま変わらず、全体的な生産能力が向上し、オペレータは生産工程を深く把握できるようになり工程が最適化されるなど、施設の操業は順調でした。

ところが、新しいプロセス制御システムのおかげでワイルドターキーの生産高が倍増したものの、輸送の問題があり同社は成長を阻まれました。買収当事、熟成したバーボンはローレンスバーグ蒸留所からアーカンソー州フォートスミスに送られ、そこで第三者業者が加工・瓶詰め/包装を行なっていました。製品を約736kmも離れたところに送るため、輸送費が大きく膨んだうえ、製品管理が行き届かず、スケジューリングの柔軟性もあまりありませんでした。

輸送費を抑えるためにカンパリ社が考え付いた方法は、ワイルドターキー蒸留所のそばに新しく加工・瓶詰め施設を作ることでした。ワイルドターキー81、ワイルドターキー101、アメリカンハニーなどワイルドターキーの全銘柄とウイスキーをその場で加工・瓶詰めする施設です。カンパリ社はこの施設で、スカイウォッカの加工・瓶詰めも行ないたいと考えました。

カンパリ社の目標は、この新施設に最新のオートメーション技術を導入し、一貫した良質の酒類を顧客に届けることでした。また、データ分析ツールやレポートツールも導入して、醸造業の厳しい規制に準拠しようという計画もありました。

ソリューション

ワイルドターキー蒸留所建設中の2010年、カンパリ社はカンザス州に本拠を置くバチェラー・コントロールズ(BCI)社に制御アーキテクチャの設計と導入を依頼しました。同社は、ロックウェル・オートメーションのソリューションパートナでした。オートメーション技術の委託先は競争入札で決められ、ロックウェル・オートメーションが現職を破り、最終的に選ばれました。新しい加工・瓶詰め施設へのオートメーション導入にあたっても、再度ロックウェル・オートメーションが採用されました。このときは入札方式を取らずに決定されました。

ワイルドターキー瓶詰め/包装業務部長であるウェイン・クナベル氏は次のように述べています。「オートメーションシステムは蒸留所でうまく機能していました。これをそのまま拡張したかったのです。すでに導入していたロックウェル・オートメーションの制御技術のおかげで、生産高が倍増、オペレータの効率性が向上し損失額が減っていましたので、新しい施設でもこれをそのまま取り入れたいと思いました。」

新しくできた144,000平方フィートの施設にはタンクがおよそ40個あります。全部合わせると635,000ガロンも入ります。出来上がったバーボンやウイスキー、ウォッカを入れておく50,000ガロン入りの貯蔵タンク2つをはじめ、加工や瓶詰め用など4,000ガロン入りから25,000ガロン入りまで、さまざまなタンクがあります。施設には、高速自動瓶詰めライン3本と、限定的に使用する低速手動瓶詰めライン1つもあります。

酒類はそれぞれレシピを厳格に守って作られます。製品は、混合タンクでの糖化から冷却、濾過、アルコール度数調節まで、加工施設の中を次々に適切なタンクへと流れていきます。そうして辿り着くのが瓶詰めラインです。

BCIは、ロックウェル・オートメーションのPlantPAx®プロセス・オートメーション・システムと自社のBatch Engine™ XEを組み合わせ、施設全体に制御機能と情報機能を実現させました。同様のアーキテクチャを採用すれば、2つのプラント間(プラント間の距離はほんの数百ヤード)で技術者らが知識や情報、部品を共有できるようになります。

材料の仕入とバッチ管理、加工工程の制御はPlantPAxシステムで行ないます。また、バッチのスケジューリングや実行はバッチレポートを見て行ない、材料の流量追跡やロット追跡には材料管理レポートを使用します。こうすることで、製法をしっかり守ることができるのです。

このシステムのおかげで、法規制の遵守も難しくなくなりました。流量のモニタは、ロックウェル・オートメーションのFactoryTalk® View SEソフトウェアで行ないます。工程全体を通じガロン単位でモニタできます。この情報から生産状況を追跡したり、月々の在庫レポートや、アルコール・タバコ税貿易管理局が定める年次レポートを作成します。

このプロジェクトでは、風味や一貫性、品質に影響が出ないよう、プロジェクト全体を通じて品質管理部門がかかわり、適切な濾過装置の選択から、正しい仕様の適用、必要な業務手順や洗浄手順の策定、品質第一という職場文化の育成などを行ないました。

「品質管理部門と業務部門が最初から密接に協力しました」と、クナベル氏は述べています。「社員に積極的に仕事をしてもらうため、各自に権限を持たせました。不適合な場合や工程の調節が必要な場合、彼らにはラインを停止する権限があります。」

結果

新しい加工・瓶詰め施設が2013年5月に開き、2014年3月全面的に稼働し始めました。10~20%程度だった総合設備効率(OEE)が、その10か月の間に70%に向上しました。非常に目覚ましい改善ですが、クナベル氏らはOEE 85%、クラス最高を目指しておられます。

「PlantPAxシステムのおかげで、加工、瓶詰め、マテリアルハンドリングが日々向上していきました」と、クナベル氏は述べています。「KPIは上昇傾向にあり、1ケース当たりのコストは下がっています。」

加工・瓶詰め業務を社内に切換えその場でできるようにしたことが市場投入までの時間短縮につながりました。高度自動化のおかげで同社の制御力はグンと向上し、原材料を柔軟に管理できるようになり、工程を改善できました。

クナベル氏は次のように述べています。「最新設備の整った新しい施設が2つできました。おかげ様でマスターディスティラーであるジミー・ラッセルの伝統技と最新式の生産技術を組み合わせ生産業務に励んでいます。バーボンやウイスキーのレシピを生み完璧なものに仕上げ、それを基に一貫した良質の製品を生産してお客様に届ける、これらすべてがローレンスバーグでできるのです。3年前までは行き届いていなかった管理が今はしっかりできています。」

ここで紹介した成果は、お客様の組織でロックウェル・オートメーション製品およびサービスをその他の製品と併用した結果です。実際の成果は事例ごとに異なる場合があります。

公開 2015年10月23日

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