ベアリングメーカがスマートマニュファクチャリングを導入

あなたの施設にとって、紙はどれほど重要ですか?

NBCベアリング社がデジタルトランスフォーメーションに取り組む以前は、データは紙に取り込まれ、24時間遅れの非リアルタイムシステムに記録されていました。つまり、人々は昨日のデータで今日の意思決定をしていたのです。

アナリティクスを強化して製造オペレーションを改善したい企業にとって、それが理想的でないことは明らかです。

オリジンストーリー

ナショナル･エンジニアリング･インダストリーズ(NEI)は、16億ドル規模のコングロマリットであるCKビルラグループの一員です。NBCベアリング社は、NEIの傘下にあるインド最大のベアリングメーカです。

NBCベアリング社は、デジタル戦略のロードマップを作成し、デジタルイニシアチブを組織の戦略的整合性に結びつけ、人材とプロセスに対処するための包括的なチェンジ･マネジメント･プログラムを実施したいと考えていました。

つまり、NBCベアリングは、スマートファクトリーの実現に向け、組織全体の人々を巻き込みたかったのです。そうすれば、工場フロアでの意思決定、予知保全の改善、総合設備効率(OEE)の向上のためのリアルタイムかつ正確なデータを取得することができるようになります。

スマートファクトリーは人とつながり始める

コネクテッド･スマート･ファクトリーは、NBCベアリング社の変革ビジョンの一部でした。このデジタル化構想は、300台以上の機械とPLCを1つの産業用モノのインターネット(IIoT)ネットワークに接続するものでした。

NBCベアリング社は、1つのIoTプラットフォーム上で、工場や企業全体に広がる多数の人々が使用するリアルタイムデータ、レポート、ダッシュボードをレンダリングすることができました。

OEEを2～3%改善することに加え、チームの目標には、あらゆるレベルの意思決定を可能にするペーパーレス工場が含まれていました。

NEIの社長兼CEOであるロヒット･サブー氏は次のように述べています。「現場や工場からのリアルタイムな情報により、データで駆動される意思決定で現場の人間を力づけたいと思ったのです。生産品質、機械の保有データを、工場長や工場内の作業員と一緒に見られるようになりました。そして、その効果は明らかです。」

包括的な実行計画が策定されたとき、チームはすべての利害関係者が全体像とエンド･ツー･エンドの活動を理解できるようにすることが課題でした。

各関係者は、それぞれ異なる優先順位を持っていました。しかし、チェンジマネジメントによって、すべての関係者は、ビジネスインパクト、導入の容易さ、組織全体のカバー率(影響を受けるユーザの数)、導入コスト、メリット、ROIを考慮してユースケースを選択するようになりました。

意思決定者に力を与える

ロックウェル･オートメーションは2019年のMESTECH社の買収を通じて、FactoryTalk® InnovationSuiteの一部であるPTCのThingworxプラットフォーム向けのアプリケーション開発サービスを提供しました。MESTECH社の買収により、ロックウェル･オートメーションのコンサルティングとシステム統合の規模は、この急成長中の産業変革市場において拡大されます。

トランスフォーメーションチームは、社内の製造機能分野の専門家と、ビジネスからテクノロジへの変換者や支援者として活躍するデジタル･チーム･メンバーで構成されていました。IT部門はハードウェア、ネットワーク、接続性を管理し、IoTプラットフォームの専門家は機械からのデータを可視化レイヤに巻き上げ、現場の監督者、工場長、担当者に意思決定の権限を与えることができました。

スマートマニュファクチャリングの取り組みを大規模に実施した結果、NBCベアリング社は現在、高度な分析、現場トレーニングのための拡張現実および複合現実の利用、情報の流れを合理化するためのコラボレーションワークフロー、プロセス統合のためのQRコードとワークフローの利用、検査のためのマシンビジョン、リアルタイムの人員計画などを実現しています。

デジタル戦略を戦略全体の目標につなげる

本格的な導入の90%以上をリモートで対応しました。

旧世代のコントローラと機器が混在しているため、FactoryTalk InnovationSuiteのような、すべてのマシンを同じプラットフォーム上に持ってくるための不可知論的ソリューションを見つけることがより重要でした。

デジタル戦略は、「ビジョンと目標を、デジタルテーマ、イニシアチブ、このイニシアチブが社内にもたらすであろうビジネスドライバーに結びつける」デジタルハウスを介して、組織全体の戦略目標に接続されていると、サボー氏は述べました。

人事、財務、研究開発、製造、品質、セールス&マーケティング、サプライチェーンなどの機能ごとのリーダが、デジタルトランスフォーメーションの場で中核となるリーダシップを発揮しました。

その結果、サブー氏は売上高が3倍に増加し、金利･税金･減価償却費控除前利益も増加するものと見込んでいます。「また、今後3-5年の間に、次世代にとって働きやすい組織となるようなインクルージョンとダイバーシティをより多く経験することになるでしょう」と、彼は語りました。
 

人々の声を聞く

このような取り組みにより、現在では、すべての工場がアクセスできるオンラインのイノベーションとアイデアの管理プラットフォームを持つに至っています。それぞれのアイデアやイノベーションは、標準的でテストされたアプローチで実施され、「Just Do It」に該当するものは、長い開発･承認サイクルを経ずに実施されます。

サブー氏は次のように述べています。「私たちは、取り組みの進捗を測定するためのガバナンスのプロセスを制度化し、各取り組みには重要な測定領域があります。この成功に基づき、当社の社員はイノベーションに対してよりオープンになり、アイデアやコンセプトを実現することが奨励されています。」