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「ウォッシュダウン」から「衛生環境用設計」へ

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「ウォッシュダウン」から「衛生環境用設計」へ hero image

つい先頃まで、消費財(CPG)メーカと機械メーカは、プロセス工程と梱包アプリケーションを便宜上分けて考えていました。標準的なプラントフロアでは、プロセス工程と、一次、二次、三次梱包ゾーンが明確に仕切られていました。また、プロセス工程および一次梱包機械の衛生要件は、ほとんど下流のアプリケーションに影響しませんでした。

当然のことながら、プロセス工程および一次梱包機器はウォッシュダウンの手順に耐えるように製造されていました。しかし、設計特性では、防水性(IP)および刺激の強い化学物質にさらされた場合に信頼性の高いパフォーマンスを維持する機器の性能に大きく注力していました。

ところが、「ウォッシュダウン耐性」であるように製造された機器は必ずしも「衛生環境用設計」つまり、衛生環境を設計段階から確保した機器ではありませんでした。また、厳密にどのような衛生環境用特性が、特定のアプリケーションに必要であるか定義することが問題になることもありました。さらに、機器を簡単に完全に清掃して衛生的にできるかどうかは、通常、衛生環境ゾーン外の機械に考慮すべき事項ではありませんでした。

時代は変化しています。これまでのような時代はもう終わりです。

ここをクリックしてウェビナーにご登録ください: Washdown Is Not Equal to Hygienic

プロセス工程および梱包のパラダイムシフト

今日、以下の2つの重要な要因によって、消費財メーカとそれに協力する機械装置メーカ(OEM)が、プラントフロアと機器の設計にアプローチする方法が変化しています。

一つ目に、ますます複雑化するサプライチェーン、ならびに大々的に報道される製品リコールや増大する規制環境により、食品安全を一層重視するようになったことです。各食品メーカは、たった一度のリコールが、ブランドの評判、顧客ロイヤルティ、利益に長期にわたる大打撃を与えることを痛感しています。また、メーカは厳しい要件に適合する必要があります。中でも注目すべきは、FDA食品安全強化法(FSMA)と欧州食品法(European Food Law)です。

二つ目に、業界がより多くの製品種類や梱包オプションに対するお客様の要求を満たす必要があることです。複数のSKUと、個別包装からマルチパックまでのフォーマットには、機動的な機器が必要です。これらの要件を満たすために、消費財メーカは製造空間をより統合した視点から考察し、以前にはディスクリートアプリケーションの領域だった、効率的で多目的な機械を指定することが多くなっています。

かつて明確であったプロセス工程と梱包の境界線は曖昧になり、より柔軟性が発揮でき、プラントフロアのスペースと人員をより効率的に使用できます。しかしながら、以前は食品に直接触れず問題とされなかったアプリケーションにも衛生に対する配慮が必要です。

リスクを緩和するために、消費財メーカと機械装置メーカ(OEM)は機器の設計を綿密に検討し、より煩雑に衛生環境用の原理を適用する必要があります。

規格への対応

パラダイムシフトに合わせて、国際的な業界団体と標準化団体は、食品加工と梱包機械の統合への取り組みを開始し、より適切に衛生環境用設計を定義するようにしています。 

例えば、EHEDG (European Hygienic Engineering and Design Group: 欧州衛生工学設計グループ)は、その「Guidelines Doc 8」を最近更新し、機能要件、使用目的、建築材料、評価方法などの衛生環境用設計の基本に重点を置いています。

3-Aサニタリ規格やNSFインターナショナルなどのその他の団体も影響を与えています。

北米のPMMI (Association for Packaging and Processing Technologies: 米国包装および包装技術)協会とANSI (American National Standards Institute: 米国国家規格協会)は、最新のANSI/PMMI B155.1安全規格で衛生環境用要素を決めました。

規格に含まれる衛生環境用設計要素は、PMMIおよびそのOpXリーダシップネットワークによって促進されるPMMI B155 TR3技術レポートに基づいています。このレポートには、衛生的および機械的な危険事象をまとめて評価して緩和できるリスクアセスメントに始まり、4段階のプロセスが定義されます。

つまり、このレポートには、消費財メーカと機械装置メーカ(OEM)が「基本」、「中」、「高」の衛生環境ゾーン内で規格を満たすために必要な、設計条件に同意できるようにする共同プロセスの概要がまとめられています。

このプロセスにより、コンプライアンスへの遵守が容易になり、消費財メーカの食品汚染リスクが最小限に抑えられるだけではありません。機械装置メーカ(OEM)が、「ベース機種」から始めて、より高度な衛生基準が要求されたときに、限定した選択肢の中から適切なオプションを提供できるようにする反復設計アプローチもサポートします。

オートメーションサプライヤまで連携が拡大

制御コンポーネントは、当然ながらプラントフロアの運用に欠かせません。また、衛生環境用ゾーン内に配置される制御機器は、要件に適合する必要もあります。

オートメーションサプライヤは、製造メーカや機械装置メーカ(OEM)と連携して、厳しい要件を満たすために製品を拡張しています。さらに、既存の製品プラットフォームに衛生環境オプションを構築して、導入、および衛生環境用ゾーンとプラントの残りのゾーンとの統合を容易にします。

例えば、Allen-BradleyのKinetix VPH衛生環境用サーボモータは、高衛生環境用ゾーンに最適です。このモータは316グレードステンレス鋼でできているだけでなく、3-AおよびEHEDGガイドラインを満たすように設計されています。

NSF認定のAllen-BradleyのPanelViewグラフィックターミナルは、衛生環境用設計を特長とし、機械装置メーカの機器が食品、飲料、医薬品アプリケーションで受け入れられるように支援します。

詳細は、「食品安全ソリューション」をご覧ください。

この投稿は、ロックウェル・オートメーションの機械装置メーカ(OEM)部門のシニア・テクニカル・コンサルタントであるジョナサン・ジョンソンとの共著です。

公開 2019年6月2日


John Dart
John Dart
Senior Technical Consultant, CPG Industry, Rockwell Automation
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